進学や就職などで新生活を始めるにあたって「ルームシェア」を候補にしている方は多いのではないでしょうか。ルームシェアは、一人暮らしと比べて家賃や生活費が抑えられるので、良いことばかりと感じる方も多いですが、当然デメリットは存在します。
ルームシェアを始める前に、まずルームシェアが一体どんなものなのか、メリットやデメリットはあるのか、しっかり把握しましょう。そこで今回は、ルームシェアのメリット・デメリットをご紹介していきます。
ルームシェアとは
ルームシェアとは、自分以外の誰かと一つの部屋を共有することを指します。物件を契約する際は、代表者の名義で契約・支払いを行う方法と全員の名義で契約する方法があります。一般的には、代表者の名義で契約・支払いを行う方法が多いようです。
海外ではポピュラーなルームシェアですが、日本ではまだまだルームシェアをできない物件が多いです。ルームシェアする際は、2LDK以上の間取りの物件を契約し、リビングやキッチンなどを共有して共同生活するのが一般的です。
ルームシェアとシェアハウスの違いとは
ルームシェアとシェアハウスの違いは、「部屋」を共有するのか「家」を共有するのかが、根本的な違いとなってきます。シェアハウスは、入居者の募集・審査を管理会社や運営会社が行います。そのため、一体どんな人と一緒に住むのかは、実際に住むまで分かりません。ルームシェアでは一緒に住みたい人を選べるので、この点は大きく違います。
また、シェアハウスでは家事の分担など予めルールが決められています。自分たちでルールを設けるルームシェアとはその点の違いがあります。
ルームシェアとシェアハウスの違い
ルームシェア | シェアハウス |
---|---|
・一つの「部屋」を共有 ・管理は契約者自身が行う ・同居人は任意で選べる ・退去時は同居人と相談が必用 |
・一つの「家」を共有 ・管理会社が運営している ・同居人を選べない ・任意のタイミングで退去できる |
ルームシェアのメリット
メリットばかりに目を奪われがちなルームシェアですが、一体どんなメリットがあるのでしょうか。
以下では4つのメリットを挙げて詳しく紹介していきます。
- 家賃や生活費を抑えることができる
- 条件の良い物件を選びやすい
- 緊急時に頼れる人がいる
- 防犯対策になる
家賃や生活費を抑えることができる
メリットの一つ目としては、やはり家賃や生活費を抑えることができるという点です。賃貸物件の契約には、敷金や礼金などの初期費用が発生します。この初期費用は物件によって異なりますが、費用の負担は大きいです。また、月々の家賃や光熱費といった固定費の負担額を減らすことができるので、ルームシェアにおける一番のメリットといって良いでしょう。
- 敷金・礼金など入居時の初期費用
- 月々の家賃
- 水道光熱費
- 生活消耗品費
- 家具・家電購入費
条件の良い物件を選びやすい
一人暮らしだと、自身の収入に応じた予算内で物件を探さなければいけません。しかし、ルームシェアであれば、家賃を折半することができるので、オートロックがついた物件や間取りの広い物件、駅からの距離が近い物件など、好条件の物件を入居先として選ぶことができます。ルームメイトと条件を出し合い物件を決めることができるので、良い物件に出会える可能性が高くなります。
緊急時に頼れる人がいる
体調を崩してしまった時や、鍵を家に忘れた時など緊急時に頼れる人がいることはルームシェアのメリットでしょう。一人暮らしをした際に、体調が悪い中、家事や買出しをした経験がある人は多いのではないでしょうか。
ルームシェアでは、同じ物件にルームメイトがいてくれるので、体調を崩してしまった時に買出しや家事を頼むことができます。また、オートロック物件で鍵を忘れて出かけてしまっても、ルームメイトに連絡することで中に入ることができます。
防犯対策になる
一人暮らしは複数人で住むのに比べて、空き巣やストーカーといった犯罪から狙われやすくなります。その点、ルームシェアは複数人で住んでいるため、空き巣やストーカーが警戒して、こういった犯罪から狙われにくくなります。
ルームメイトと一緒に住むルームシェアは、結果的に犯罪を未然に防ぐ防犯対策になります。万が一、ストーカーに後をつけられても、すぐに助けを求めることができるので安心して生活を送ることができます。
ルームシェアのデメリット
良い点ばかりが目立つルームシェアですが、どのようなデメリットがあるのでしょうか。ルームシェアを検討しているのであれば、メリットとデメリットの両方を頭に入れて、自分に合っているかどうか再検討する必要があります。
ここからは、ルームシェアのデメリットを3つ挙げ、詳しく紹介していきます。
- 一人の時間を作りにくい
- ルームメイトとトラブルになる
- ルームシェアが突然解消してしまう
一人の時間を作りにくい
ルームシェアを始めると一人の時間を取ることが難しくなります。共同生活を送る上では避けることはできない点ですが、些細なことでもルームメイトに気を遣ってしまい、ストレスに繋がる可能性があります。
パンデミックの影響によりリモートワークが増えた近年では、落ち着いて仕事が出来ずにストレスを感じる方がいます。プライベートな時間を確保したい方にとっては、ストレスに繋がりやすい環境といえます。
ルームメイトとトラブルになる
生活リズムや生活に対する価値観が違ってくると、トラブルの原因となってしまいます。それまで良好だった交友関係に亀裂が入ってしまうことがあるので、その点は注意が必要です。
ルームメイトと昼夜逆の生活をしている場合は、休んでいる時間に生活音が気になってしまいます。毎日それが続いてしまうと、やがて大きなストレスとなりトラブルへ発展してしまうケースがあります。そのため、事前に生活リズムや金銭感覚など生活に対する価値観に相違はないか確認しておく必要があります。
- 家賃・固定費などの分担額
- 家事・掃除の分担
- 共有スペースの使い方
- 私物の紛失・盗難
- 生活リズムの違い
- 金銭感覚の違い
ルームシェアが突然解消してしまう
デメリットの一つとして、ルームシェアが突然解消してしまことが考えられます。ルームメイトが転勤になってしまうケースや結婚でルームシェアの継続が難しくなってしまうなど、原因は様々です。ルームシェアが突然解消してしまった場合に、同じタイミングで引越しをしなければ、家賃などの負担額が増えてしまい、生活を圧迫してしまいます。
新しいルームメイトを探すのは時間がかかってしまいますし、後から引越しするにしても今までより生活費に余裕がなくなり、引越し資金をためることが難しくなってしまいます。一人で住んでいる物件ではないので、引越しや退去のタイミングが難しくなることは、デメリットといえます。
ルームシェアのメリット・デメリットまとめ
メリット | デメリット |
---|---|
・家賃や生活費を抑えることができる ・条件の良い物件を選びやすい ・緊急時に頼れる人がいる ・防犯対策になる |
・一人の時間を作りにくい ・ルームメイトとトラブルになる ・ルームシェアが突然解消してしまう ・引越しや退去のタイミングが難しい |
快適なルームシェアをするために
ルームシェアのメリットとデメリットを挙げてきましたが、快適なルームシェアを行うためには他に必要なことはあるのでしょうか。ここからは、円滑にルームシェア生活を送るために以下2つのポイントを紹介します。
- 生活のルールを決めておく
- プライベートが確保できる間取りを選ぶ
生活のルールを決めておく
ひとつ目のポイントとしては、生活に関するルールを決めておくことです。生活に必要な消耗品や家賃、光熱費といった共同生活で発生する費用の分担は最初に決めるようにしておきましょう。
どちらかが家賃の支払い分を忘れると、トラブルの原因となってしまいます。その他に、家事の分担や、友人や恋人を家に招待するルールなどをシェアしておくと、お互いのストレスに繋がりにくいです。
- 家賃・光熱費の分担額
- 消耗品費の分担額や買い出し
- 家事の分担
- 人を招待するルール
- 生活リズムや仕事の繁忙期のシェア
- お風呂やトイレなど共有スペースの使い方
- ルームシェアの期間
些細なことでもルールとして共有しておくと、共同生活を送る上でストレスやトラブルに繋がることがなく、快適なルームシェア生活をしていくことができます。
プライベートが確保できる間取りを選ぶ
ルームシェアをすると、プライベートを確保することが難しくなってしまいます。そのため、扉を閉めれば自分だけの空間ができる、といった「ひとり一部屋」を確保できるような間取りを選ぶことが大切になってきます。
いくら慣れ親しんだ仲であっても、一人になりたい時間は出てくると思います。一人の時間がつくれない生活を続けていると、ストレスが溜まってトラブルに発展してしまうことも考えられます。
そこで、シェアをする人数分の部屋が確保できる物件を探すようにしましょう。
ルームシェアが自身に合っているのか確認しよう
今回は、ルームシェアに関するメリットとデメリットを紹介してきました。ルームシェアに関しては良い面もあれば悪い面もあります。改めてルームシェアはどういったものなのか、自分には合っているのか、しっかり検討してからルームシェアを始めましょう。
共同生活はメリットが多い反面、ストレスに繋がることもあるので、きちんとトラブルを避けるルールを設け、快適なルームシェア生活を過ごせるように本記事を読んでしっかり対策しましょう。