賃貸物件に住んでいる場合、「鍵が壊れてしまった」「鍵を失くしてしまった」など、鍵を交換したいときはどうすればよいのでしょうか?
そもそも自分で交換していいのでしょうか・・・?
賃貸物件の鍵を交換する場合は、注意しなければいけない点がいくつかあります。この記事では、鍵交換をしたい場合の注意点や方法、費用について詳しく解説していきます。
大家さんや管理会社とのトラブルを避けるためにも、是非参考にしてみてください。
どんなときに鍵交換が必要?
鍵交換を行う場面は、鍵が刺さらない、刺さったまま抜けない、鍵が回らない、空回りして鍵が開かない・・・など様々なパターンがあります。このような場合は家に入れなかったり、鍵をかけることができずに外出できなかったりと影響が大きいため、すぐに修理や交換をする必要があります。
鍵を失くしてしまった時は、家に入ることすら出来ません。交換する際には防犯上の理由からより安全性の高い鍵に交換したい気持ちになるでしょう。
- 新築ではない物件に入居するとき
- 経年劣化による故障
- 地震や台風など災害による故障
- 空き巣など第三者による破損
- 鍵を盗まれた、または紛失したとき
無断で交換はNG!まずは管理会社へ相談
鍵の盗難など防犯上不安がある場合は、すぐにでも鍵を交換したくなると思います。しかし、大家さんや管理会社に無断で鍵を交換することは絶対にやめましょう。
ここでは、無断で交換した場合のリスクについて解説していきます。
損害賠償を請求されることも
部屋はもちろんですが、鍵も大家さんや管理会社の所有物です。無断で鍵交換をした場合は契約条項違反となり、退去を求められることがあります。また、悪質と認められた場合には、損害賠償を請求されることがあるため注意しましょう。
物件全体のデザインや他の部屋との統一感、扉に傷を付けてほしくないなどの理由で、大家さんや管理会社が鍵交換を許可しないことが考えられますので、事前に相談が必要です。
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鍵は大家さんや管理会社の所有物なので、合鍵の作製もNGです。何かしらの理由で合鍵を作る場合は、許可が必要となります。
非常事態の際に管理会社が部屋に入れない
大家さんや管理会社は、災害時や万が一事件が発生したときなどに備え、合鍵を保管しています。無断で交換してしまった場合、このような緊急時に大家さんや管理会社が部屋に入ることができなくなってしまいます。
不在時に漏水が起きてしまった場合などは管理会社が部屋に入れないと被害が拡大してしまう恐れがあります。また、一人暮らしで事故が起きた場合などは、部屋に入れないことで事態が悪化する可能性があります。自分の身を守るためにも無断で交換することは絶対にやめましょう。
退去する際は原状回復しなければいけない
賃貸物件の入居者には、「退去時、物件を借りたときの状態に戻す」という原状回復義務があります。鍵は原状回復義務の対象となるため、無断で鍵を交換していた場合は、退去時に元の状態に戻さなくてはなりません。あらかじめ大家さんや管理会社に相談、許可を取り、退去時にどのような状態で引き渡せばよいか確認しておきましょう。
交換費用は管理会社負担の場合がある
経年劣化が原因の場合や、鍵穴をいたずらされたことによる故障の場合は、大家さんや管理会社が費用を負担することが一般的です。しかし、鍵を失くしてしまった場合や安全性を高めたいなど、入居者側の理由で鍵交換を行う場合、交換費用は入居者の負担になります。無断で交換した後では交渉の余地はありませんので、必ず事前に相談しましょう。
鍵の交換方法
大家さんや管理会社の許可を得られた場合には、どのように交換すればよいのでしょうか。ここでは、自分で鍵を交換する場合と鍵交換業者に依頼する場合のメリット・デメリットを解説していきます。
自分で鍵を交換する
鍵の種類によっては、自分で交換することが可能です。この場合、かかる費用は部品代だけなので費用を抑えることができますが、鍵の種類やドアのタイプ、交換手順などの知識が必要となります。また、交換後に鍵が回らないなどの不具合が出る可能性があるため、鍵交換の経験がない方や少しでも不安な方は、専門業者へ依頼するのが無難です。
鍵交換業者に依頼する
専門業者に依頼した場合は、当日中に対応してくれることが多いようです。交換にかかる時間は、種類により異なりますが、15分~1時間程なので自分で行うより早く交換することができます。部品代に加え作業費用もかかりますが、鍵の知識を熟知したプロが交換してくれるので安心です。管理会社から業者を指定されるケースも多いので、その場合は該当する業者に依頼しましょう。
交換方法 | メリット | デメリット |
---|---|---|
自分で交換 | 交換費用が部品代のみで安く済む | 知識がないと交換が難しい 失敗時のリスクが高い |
業者に依頼 | プロが交換してくれるので安心 手早く確実に交換できる |
作業費がかかるので費用が高い |
鍵交換の費用相場はどれくらい?
さて、鍵交換にはどれくらいの費用がかかるのでしょうか。自分で交換した場合、鍵交換業者に依頼した場合について見てみましょう。
鍵交換業者に依頼をする場合
鍵交換業者に依頼して交換をする場合は、部品代と鍵交換業者の作業費用がかかります。
各鍵の特徴と費用相場は以下です。
鍵のタイプ | 費用相場 | 特徴 |
---|---|---|
ピンシリンダー | 5,000~10,000円 | 鍵の片側のみ凹凸がある。 ピッキングが一番簡単で防犯性能は低い。 |
ディスクシリンダー | 5,000~10,000円 | 鍵の両側に凹凸がある。 ピッキング難度は低く防犯性能は低め。 |
ディンプルシリンダー | 12,000~30,000円 | 鍵の両側面にくぼみがある。 ピッキングが難しく防犯性能が高い。 |
デジタルロック | 20,000~100,000円 | カードキー式、指紋認証式、暗証番号式など、様々な種類がある。 ピッキングの心配がなく防犯性能が高い。 |
防犯性能の高い鍵ほど、交換費用は高くなります。特にデジタルロックは非常に防犯性能が高いですが、取付工事が大掛かりで費用が高めです。
どうせ鍵交換をするなら少しでも防犯性が高い鍵に交換したいところですが、大家さん、管理会社とどの種類に交換可能なのかを相談しながら決めましょう。
自分で鍵交換をする場合
自分で鍵交換の作業をすれば、かかる費用は鍵の部品代のみです。種類によりますが、一般的な鍵の種類であれば、約3,000~8,000円程度で鍵交換することができます。自分で交換する場合でも、あらかじめどの種類の鍵に交換可能なのかを大家さん、管理会社に必ず確認しておきましょう。
鍵交換の費用を抑える方法
防犯上の理由等から仕方ないとはいえ、鍵交換の出費は安くありません。ここからは、鍵交換の費用を少しでも安くする方法について解説していきます。
火災保険を使って鍵交換をする
賃貸物件の場合、火災保険に加入することが必須であることがほとんどでしょう。その場合、鍵交換の出費を保険金でカバーできる可能性があります。火災保険は、「家財」と「建物」をさまざまな被害から守る保険です。
- 火災や爆発による損害
- 水濡れによる損害
- 台風等、豪雪、砂崩れなど自然災害により生じた損害
- 建物外部から車の衝突や飛び石などにより生じた損害
- 盗難により生じた鍵や窓ガラスなど建物の損害
- 予期せぬ事故によって生じた建物や家財の損害
鍵は「家財」の中に含まれているので、火災保険の内容によっては「鍵交換」も対象となります。鍵の紛失時などには保険が適用されることが多いですので、一度契約書を確認してみましょう。
できるだけ安い鍵交換業者を選ぶ
交換の相談をした際、管理会社に鍵交換業者を指定されることが多いようです。しかしこの場合、管理会社に中間マージンが発生していることがあり、相場より少し高くなっている可能性があります。入居者が全額負担する場合は、自分で安い鍵交換業者を選ぶことを伝えてみるといいでしょう。
鍵交換の理由をもとに交渉をする
明らかな経年劣化による鍵の不具合やいたずらなどの予期せぬ故障の場合は貸主負担となる可能性があります。このように借主側に非がない場合は、しっかりと理由を伝え、一部でも負担してもらえるように交渉してみるといいでしょう。
鍵交換は大家さんや管理会社に確認しよう
この記事では、賃貸物件の鍵交換をする際の注意点や交換方法、費用相場などを解説してきました。鍵交換はトラブルにつながることが多いので、大家さんや管理会社にしっかり確認を取ってから行うようにしましょう。また、鍵交換を行う場合、業者に依頼するほうが確実で安全です。業者によってサービスが変わってくるので、比較してより良い業者を選びましょう。