賃貸物件を借りるためには、入居審査が必要となります。この入居審査は、「申込者に物件を貸して問題はないか」を判断するための審査です。しかし、「ナイトワークに勤めている」「正社員ではない」「頻繁に転職をしている」など、入居審査に不安がある方は、多くいらっしゃると思います。はたして、入居審査では一体どのようなことをチェックしているのでしょうか。
本記事では、入居審査の審査基準と入居審査に通過しやすくする方法 について紹介していきます。入居審査に関して不安がある人は、ぜひ参考にしてみてください。
入居審査とは?
一般的な賃貸物件を契約する場合に、入居審査は必要になります。前述したとおり入居審査は、不動産会社・大家さんが物件を貸しても大丈夫かを判断するための審査です。入居審査は、支払い能力や連帯保証人の有無などのさまざまな視点から審査が行われます。
貸主からすれば、賃料の滞納やトラブルが発生することは避けたいです。そういった貸主側の不安要素をクリアにするために入居審査は行われます。
入居審査は誰がするの?
入居審査は、大家さんまたは管理会社が行うのが一般的です。しかし、家賃保証会社を利用する場合は、家賃保証会社の審査も必要になります。この家賃保証会社とは、家賃の滞納が発生した際に、入居者に代わって家賃を立て替えてくれる会社です。親や兄弟など家族が保証人としての要件を満たさない場合、家庭の事情などで保証人を頼める人がいない場合に利用されます。
入居審査の大半は管理会社が行いますが、最終的な決断は大家さんです。借主と大家さんが入居審査までに直接話す機会はなく、不動産会社の担当者が借主の印象を伝えて、審査を行う場合がほとんどです。そのため、来店した際の態度や服装なども審査のポイントとなる可能性がありますので注意しましょう。
入居審査の審査基準
続いては入居審査の基準についてですが、一体どのようなポイントが見られているのでしょうか。今回は以下の三つの基準をピックアップします。
- 支払能力
- 保証人の可否
- 人柄
それぞれどういった部分を見られているのか、詳しく紹介していきます。
支払能力
支払能力は、借主の収入に対して家賃が適正なのかをチェックされます。支払能力を判断する目安として、年収が家賃の36倍あると良いと言われています。その為、収入に対して家賃がギリギリの物件を選んでしまうと、審査に落ちる可能性が高くなってしまいます。
その他、支払い能力の判断基準として以下のような内容も合わせてチェックを行います。
- 勤務先
- 勤続年数
- 社会的な属性
- 家族構成
- 年齢
保証人の可否
一般的な賃貸物件では、連帯保証人または家賃保証会社のどちらかが必要です。連帯保証人の場合は保証人の年齢や収入、職業がチェックされます。連帯保証人が高齢で保証能力が無いとみなされた場合などは、審査に通りにくくなってしまいます。家賃保証会社を利用する場合は、家賃保証会社でも審査が行われます。
人柄
入居審査の中で、重視されているのが借主の人柄です。支払い能力を満たしていても、物を壊すなど「トラブルを起こしそう」と判断された場合は、審査に通過しにくくなります。入居審査をする際に、借主と接した不動産会社の担当者が大家さんへ、「どういった人柄なのか」を伝えるので、見た目や言葉遣いなど人柄が重視されます。
「だらしない服装で来店する」「担当に対して上から目線での発言が目立つ」などの所作は、あまり良くない印象につながってしまいます。そのため、不動産会社に来店する際は、悪い印象を与えないように意識すると良いでしょう。
- 身だしなみ
- 言葉遣い
- 性格
審査に通過しやすくするには?
ここまで入居審査でチェックされているポイントを紹介してきました。それでは、どのようにすれば、入居審査に通過しやすくなるのでしょうか。ここからは、入居審査に通過しやすくなる方法をご紹介していきます。
- 収入に見合った賃料の物件を選ぶ
- 三親等以内の連帯保証人を立てる
- 家賃保証会社を確認する
- 預金残高を提示する
- 印象を悪くする行動は避ける
- 審査に強い不動産屋を利用する
物件や自身の状況に応じて変わってきますので、順に確認していきましょう。
収入に見合った賃料の物件を選ぶ
よく「家賃は月収の3分の1まで」といった言葉を耳にしますが、これは入居審査にも当てはまります。厳密には「手取りの3分の1」に抑えると審査基準に対して余裕ができるため審査に通りやすくなります。家賃が「手取りの4分の1」など収入に対してさらに比率の低い物件を選ぶと、収入金額が原因で審査に落ちることはほぼ無いでしょう。
三親等以内の連帯保証人を立てる
連帯保証人は、三親等以内で収入が安定している親族に頼むことが出来れば信頼度は上がります。連帯保証人も借主と同じように、年収や勤続年数、年齢など継続した支払い能力の有無が重要視されます。また、借主との関係値が高い「三親等以内の親族」だとより有利に働くと言われています。連帯保証人を引き受けてくれるご家族がいる方は、一番適性値の高い人に引き受けて貰うと良いでしょう。
- 物件によっては、家賃回収が確実な家賃保証会社を必須とする物件もありますので、事前に確認しておきましょう。
家賃保証会社を確認する
連帯保証人が立てられない方は、家賃保証会社を利用するのが一般的です。家賃保証会社は大きく「独立系」「協会系」「信販系」に分類されます。この中では、「信販系」が一番審査に厳しく「独立系」が審査に甘いとされています。
しかし、入居者側が家賃保証会社を選ぶことは基本的にはできません。家賃保証会社は、物件オーナーまたは不動産会社が特定の家賃保証会社と契約していることがほとんどです。そのため、家賃保証会社の審査が心配な方は事前に確認しておきましょう。不動産会社が複数の家賃保証会社と契約している場合は、選ぶことができるケースがあります。
預金残高を提示する
無職や職が不安定な方は、預貯金を提示して支払い能力を示す「預貯金審査」で審査を通すことができます。預貯金審査は、家賃の2年分の預貯金がないと審査に通るのは難しいと言われています。預貯金額が多ければ多いほど、審査に通りやすくなりますので、預貯金の蓄えがある方には有用な方法です。
- 預貯金残高審査が可能な物件は限られているので、預貯金残高審査をお考えの方は予め確認してきましょう。
印象を悪くする行動は避ける
前述したように、人柄や態度は審査に大きく影響します。不動産屋に来店する際には、身だしなみや言動に気を配るようにしましょう。また、質問された際には噓偽り無く答えるようにしましょう。クレジットカードや家賃の滞納歴など不利な情報は隠したくなりますが、ここで嘘をついてしまうと更に印象が悪くなってしまいます。
審査に強い不動産屋を利用する
不動産会社の中には、審査に強いことを売りにしている不動産会社があります。このような不動産会社は、独自のノウハウで審査に通りやすくなるようにサポートしてくれます。また、水商売など入居審査に不安がある方に向けた水商売専門の不動産会社があります。入居審査に不安がある方は、水商売専門の不動産会社を利用すると良いでしょう。
審査に落ちないように取り組もう
今回は、入居審査の基準と審査に通過しやすくなる条件や方法を紹介してきました。入居審査は、「どんな内容が審査されるのか」「審査を通過できるのか」など不安に思うことも多いです。
支払能力の有無はもちろんですが、人柄というのも重視されます。不動産会社に来店した時から審査が始まっていると思って、身だしなみや言動などに気を付けて、少しでも審査に通過しやすくなるように取り組みましょう。