「マンスリーマンション」という言葉を耳にしたことがある人は多いと思いますが、マンスリーマンションとは一体何なのかを説明できる人は意外と少ないです。
そこで今回は一般の賃貸物件との違いやマンスリーマンションのメリット・デメリットについて詳しく紹介していきたいと思います。
マンスリーマンションに興味のある方は、ぜひ本記事をご参考ください。
マンスリーマンションとは?
マンスリーマンションとは、短期間住むことを前提としたマンションやアパートのことを指します。出張や研修、単身赴任の方がターゲットとなっており、マンスリーという名の通り1ヵ月ごとの契約になります。
- 類似のサービス形態で「ウィークリーマンション」があります。ウィークリーマンションとは1週間単位の短期で借りられる賃貸物件です。マンスリーよりも更に短期で利用したい方におすすめのサービス形態です。
生活に必要な家具家電がついているので、契約後すぐに生活がスタートできる環境が整っています。手続きが簡単ですぐに入居ができるので、緊急で住むところが必要な人にとって需要の高い物件です。
マンスリーマンションと賃貸物件の違いは?
マンスリーマンションと賃貸物件の大きな違いは、契約期間の違いです。前述したようにマンスリーマンションは、最短1ヵ月からの契約が可能です。それに比べ、賃貸物件では2年ごとの契約になることが一般的です。
また、賃貸物件であれば、住民票を移すことができますが、マンスリーマンションは一時的に滞在する場所としての利用目的のため、住民票を移すことができません。マンスリーマンションの契約書に、住民票を移すことができない旨が記載されています。
住民票を移すことができないため、公的なサービスを受けることはできませんが、郵便物の転送は可能なので、短期でマンスリーマンションに住むことになった場合は、転送届を提出しておきましょう。
マンスリーマンションのメリット
ここまでマンスリーマンションと賃貸物件の違いについて記載いたしました。マンスリーマンションを利用するにあたってメリット・デメリットを理解しておくことは重要です。
ここからは、マンスリーマンションのメリットをご紹介いたします。
初期費用がかからない
マンスリーマンションの一つ目のメリットは、初期費用がかからないことです。初期費用とは、敷金や礼金、仲介手数料などを指し、一般的な賃貸物件であれば賃貸契約時に必要な費用です。しかし、マンスリーマンションでは敷金・礼金・仲介手数料などの初期費用が原則発生しません。
マンスリーマンションで主に必要となる費用は下記となります。
- 賃料
- 水道光熱費
- 管理費
- 家具、家財のレンタル代
- 退去後の清掃費
- 鍵の交換費用
運営会社によって必要となる費用は異なります。マンスリーマンションでは光熱費が賃料に含まれている物件が多いです。光熱費が賃料込みだからといって使い放題なわけではなく、過失や故意により過度の使用が認められると追加で請求されることがありますので注意が必要です。
敷金や礼金は数十万円かかることもあるので、「マンスリーマンションの方がお得なのでは?」と考える人はいるかもしれませんが、賃料が賃貸物件より高く設定されていることが一般的です。
手続きが簡単
マンスリーマンションは賃貸物件に比べると手続きや審査が簡単です。賃貸物件の場合、数日の審査期間が必要だったり、保証人を用意する必要があったりと、手続きが複雑です。それに比べ、マンスリーマンションの契約手続きは大変シンプルになっています。
入居審査も、提出書類に不備は無いかなど形式的な審査になっており、最短即日で審査が完了します。また、ほとんどのマンスリーマンションでは保証人を必要とせず、契約書を運営会社に送るだけで契約を結べてしまうなど、賃貸物件に比べると非常に手続きが簡単です。
家具・家電が予め備わっている
まず一番のメリットといえば、家具家電が予め備わっているという点です。生活に必要な家具家電を揃えるとなると、大きな費用がかかります。また、家電・家具の選定や手配、届いた製品の設置など、時間や労力もそれなりに必要です。
しかしマンスリーマンションの場合、生活に必要な家具家電が一通り揃っているので、そういった労力を必要とせず、入居後すぐに快適に生活を送ることができます。運営会社によっては家具家電のレンタル費用が別途必要となる場合がありますので、事前に確認しておきましょう。
ライフラインやインターネットが契約済み
運営会社により異なりますが、マンスリーマンションでは電気や水道・ガス・インターネットなどが予め契約されていることが一般的です。引越しの際、ライフラインやインターネットの手続きは各所に連絡する必要があり、意外と面倒と感じる人が多いです。
しかし、マンスリーマンションであれば、入居後すぐに利用開始することができるので、特に生活に支障なく過ごすことができます。入居時だけではなく、退去する際も各所に連絡しなければいけないのが普通ですが、マンスリーマンションの場合は、入居時も退去時も連絡不要なのがメリットといえるでしょう。
マンスリーマンションのデメリット
マンスリーマンションは手続きが簡単で利便性が高い一方、一般的な賃貸物件にはないデメリットが多いです。具体的にどのようなデメリットがあるのか紹介していきます。
賃料が割高
一つ目のデメリットとしては、賃貸物件に比べると賃料が割高であることです。マンスリーマンションは家電家具が備わっていることや旅行者や出張など短期滞在利用のニーズが高いこともあり、賃料が割高に設定されています。
また、マンスリーマンションは予め水道、電気、ガスが契約されていることが一般的でプランの変更などは出来ません。料金も通常より少し高めに設定されているので、月々の固定費は一般的な賃貸物件より高くなります。
滞在期間分の賃料を前払いする必要がある
マンスリーマンションでは滞在期間分の賃料を一括で前払いする必要があります。例えば半年利用するのであれば、当然半年分を一括で支払いをしなければなりません。そのため、ある程度長期の利用を想定しているのであれば、まとまった金額が必要となります。
水道光熱費込みのマンスリーマンションの場合は、水道光熱費を含めた金額を先払いする必要がありますので、かなりの大きな負担となります。
内見ができない
賃貸物件の場合は内見できますが、マンスリーマンションでは内見できないケースが多いです。そのため、ホームページに掲載している写真や担当者から詳しく聞いて、物件を決めなければいけません。
内見が可能なマンスリーマンションは稀にありますが、前の利用者が入居中の状態で募集されることが多いため、内見出来ないことが多いようです。マンスリーマンションでどうしても内見がしたい方は、不動産の担当者に予め相談して、内見ができる物件を探してもらう必要があります。
防音性能の低い物件が多い
マンスリーマンションの軽量鉄骨構造の物件が多いです。そのため壁が薄く防音性に優れていないため、生活音が周囲に漏れてしまうなどのリスクが伴います。上の階や隣接する部屋からの物音が聞こえてくる可能性があるため、物音に敏感な方は防音性の高い鉄筋コンクリート構造のマンスリーマンションを探すようにしましょう。
入居者の質が悪くなりやすい
マンスリーマンションは入居審査を通過しやすく、よほどのことがない限り契約できてしまいます。そのため、賃貸物件で審査が通らなかった方が、マンスリーマンションを利用するなど、入居者の質が良くないことがあります。
海外からの旅行者が短期滞在場所として、マンスリーマンションを利用することが多く、文化の違いなどからトラブルに発展する可能性が考えられます。
マンスリーマンションのメリット・デメリットまとめ
メリット | デメリット |
---|---|
・敷金や礼金が必要ない ・契約手続きが簡単 ・家具家電がついている ・ライフラインやインターネットが契約済み |
・賃貸物件に比べ賃料が割高 ・滞在期間分の賃料を前払いする必要がある ・内見ができない ・防音性能の低い物件が多い ・入居者の質が悪くなりやすい |
メリットとデメリットを考えた上で判断しよう
今回はマンスリーマンションについて紹介してきました。マンスリーマンションは、一時的に住む場所が必要で、すぐに引越しする予定があるという人には、有効活用できる物件です。
短期滞在場所として、マンスリーマンションを検討している方は、メリットとデメリットを考えた上で、自分に合っているか判断することが大切です。