地域によって賃貸契約に違いがあることをご存じでしょうか。特に関西から東京に上京すると、賃貸契約の違いにびっくりする人は多いようです。賃貸物件の契約は、全国共通だと思われがちですが、初期費用などに違いがあります。
そこで今回は、関西から東京に上京してくる人へ向けて、東京と関西の賃貸契約の違いについて紹介していきます。関西から上京予定がある人は、是非参考にしてみてください。
関西と東京では初期費用が違う
東京では賃貸物件の契約をする場合、「敷金」や「礼金」といった初期費用が必要になることが一般的です。しかし、関西や九州では、「保証金」と「敷引き」が初期費用として必要になります。この「保証金」と「敷引き」は表現こそ違うものの、「敷金」や「礼金」とほぼ同じものとして扱われます。
「敷金」と「保証金」は、物件を借りるときに大家さんや管理会社に預けるお金で、どちらも原状回復費などが差し引かれた金額が退去時に返還されます。
「礼金」は大家さんに対してのお礼金として支払われるもので、返還されることのないお金です。「敷引き」は退去時に原状回復費として「保証金」から差し引かれるお金のことで、返還されることがないお金です。どちらも返還されることがないお金なので、実体的には同じものとして考えて良いでしょう。
「敷金」と「保証金」、「礼金」と「敷引き」はそれぞれ同じものとして扱われますが、費用相場は異なります。「敷金」と「礼金」は、それぞれ家賃の1~2か月分が相場とされており、合算した初期費用の相場は家賃の2~4か月分程度となっています。しかし、「保証金」は家賃の3~6か月分が相場となっており、そのうち1~3か月分が「敷引き」として差し引かれます。
種類 | 費用相場 |
---|---|
敷金+礼金 | 家賃の2~4か月分 |
保証金 | 家賃の3~6か月分(内敷引き1~3か月分) |
このように東京と関西では初期費用の相場が異なり、関西のほうが初期費用は高くなっています。
関西と東京では更新料に違いがある
関西と東京では更新料に違いがあります。東京では2年ごとに更新料を支払う物件が一般的です。しかし、関西ではほとんどの物件で更新料が不要となります。稀に更新料が発生する物件でも、多くて10,000円程度と家賃の1か月分に満たないことが多いです。
関西から東京に上京した人の中には、「更新料を知らなかった」という人もいます。東京と関西の初期費用の相場に大きな違いがあるものの、長期的に見ればそこまで大きな金額の違いは無いように感じます。
関西と東京では畳の大きさが違う!?
賃貸物件を探す際、間取りに〇畳と記載があり、その情報を元に部屋の広さを想像する人は多いと思います。実はこの畳の大きさが関西と東京で違うということをご存じでしょうか。畳には京間(本間)や中京間、江戸間、団地間などサイズの規格があります。
関西では主に京間(本間)が利用されており、6畳で10.9443㎡(平米)です。東京では主に江戸間が利用されていて、6畳で9.2928㎡(平米)と違いがあります。
関西と東京では京間と江戸間など、利用している畳が違うことから、大きければ一帖以上の差が出てしまいます。そのため、上京して以前と同じ畳数の物件に住んだとしても、「同じ畳数なのに狭い」と感じることがあるかもしれません。洋室の場合は平米数から算出するので、広さに違いはありませんが、和室のある物件を探している場合は注意が必要です。
家賃相場が違う
当然のことながら、関西と東京では家賃や物価の相場が違います。家賃は生活費の中で大きな割合を占めるので、関西と東京でどの程度違ってくるのか知っておくと良いでしょう。関西と東京の家賃相場は、2万円前後の差があります。
東京23区と大阪市の家賃相場
間取り | 東京23区の家賃相場 | 大阪市の家賃相場 |
---|---|---|
1R~1DK | 7.4万円 | 5.8万円 |
1LDK~2DK | 12.3万円 | 8.8万円 |
どこの地方でも、繁華街の近くは家賃の相場が高くなる傾向にあります。特に東京は繁華街のあるエリアが多いので場所によっては非常に高くなります。自分の主に利用するエリアや通勤距離など、不動産会社の担当者に相談しながら選ぶと、最適なエリアを選ぶことができると思います。
関西と東京の違いを把握しておこう
今回は、関西と東京の賃貸契約の違いについて紹介をしてきました。初期費用の相場も違えば、利用している畳の大きさなども違います。賃貸物件は、生活の基盤になる場所なので、自分自身で納得できるような物件を探していく必要があります。上京の為に物件探しをする際は、ほんの些細なことでも不動産会社の担当者に聞いて、後悔のないお部屋探しをしましょう。