水商売をしていると賃貸の立ち退きトラブルが起こりやすいって聞いたけど本当?
どうにかならないのかしら…。
この記事は、上記のお悩みを持つ夜職の方のために書きました。
賃貸の立ち退きトラブルは、もちろん水商売の方だけの問題ではありません。
しかし、水商売の方に多く発生していることは、残念ながら事実。
この記事では、水商売の方に起こりやすい賃貸の立ち退きトラブル事例や防止策とあわせて、賃貸の立ち退きに関する基礎知識を解説します。
立ち退きトラブルで困らないためにも、ぜひ参考にしてくださいね。
賃貸の立ち退きとは?わかりやすく解説
賃貸の立ち退きとは、アパートなどの賃貸物件を明け渡して退去することです。
賃貸の立ち退き請求とは、貸主(大家さん)が賃借人に対して賃貸借契約の解約を要求すること、つまり退去を求めること。
賃貸の立ち退き請求では、賃貸借契約の契約更新時に更新を拒否されたり、契約期間中に契約解除を要求されたりします。
ただし、物件の借主は賃貸借契約により保護されており入居者の立ち退きにはさまざまな法的制限があるため、大家さんが無条件で立ち退き請求をすることは不可能。
大家さんは、正当な事由があるときのみ入居者に対して立ち退き請求をおこなえます。
次の項目では、賃貸の立ち退き請求が認められる正当事由を解説します。
賃貸の立ち退き請求が認められる5つの正当事由
賃貸物件で立ち退き請求が認められる正当事由は、次の5つです。
- 契約期間の満了
- 建物の老朽化など居住の継続に危険をともなう
- 大家さんの家族が賃借中の物件に住む必要がある
- 入居者自身に問題がある
- 立ち退き料が支払われる
契約期間の満了
契約期間満了は、立ち退き請求ができるきっかけの一つです。
ただし、契約期間満了時に立ち退き請求ができるかは、賃貸借契約の種類により以下のように異なります。
契約の種類 | 契約更新の拒絶 |
普通借家契約 | 別途正当事由が必要 |
定期借家契約 | 期間満了で無条件解除できる |
普通借家契約は更新を前提とした契約なため、契約期間満了は立ち退き請求ができる理由にはなまりません。
いっぽう、定期借家契約は更新を前提としていないため、契約期間満了時に立ち退き請求が可能です。
建物の老朽化など居住の継続に危険をともなう
建物の老朽化などにより住み続けることが危険である場合は、立ち退き請求が可能です。
ただし、建物が古くなってきただけでは正当事由としては認められません。
建物の損傷や浸水で住み続けることが難しい場合や、耐震性能が大きく劣化しており危険な場合など、住み続けることが危険な状態の場合のみ立ち退き請求が可能。
また、震災などにより建物が損壊・滅失して使用できない場合は、賃貸借契約の終了事由に該当するケースもあります。
大家さんの家族が賃借中の物件に住む必要がある
大家さんや大家さんの家族が賃借中の物件を住居として使用しなければならない場合も、立ち退き請求が可能です。
ええっ?!
大家さんや大家さん家族が住みたいからって追い出されちゃうの?
いえいえ、ただ引越ししたいだけな場合は正当事由にはなりません。
その物件でなければならない理由がきちんとあるときのみです。
正当事由として認められるのは、以下のようなケースが代表的です。
- 通院している病院が近くにある
- 介護が必要な家族の家が近い
- 経済的余裕がなく賃貸住宅の契約ができない
入居者自身に問題がある
入居者自身に問題がある場合も、立ち退き請求の正当事由になります。
立ち退き請求の正当事由として認められやすい入居者の問題行為の例は、次のとおり。
- 該当の物件を無許可で第三者に又貸している
- 家賃を長期間滞納している
- 大家さんや他の入居者に多大な迷惑をかけている
- 物件を犯罪に利用している
- 重大な契約違反が認められる
ただし、賃貸借契約は借主と賃借人の信頼関係のうえ成立していると解釈されます。
そのため、少々マナーが悪い程度で立ち退き請求はできません。
立ち退き料が支払われる
大家さんが立退料を支払うことで入居者の損害を十分に補償することにより、立ち退き請求の正当事由として認められます。
前途4つの正当事由に当てはまらないけれども大家さんの都合により退去してもらいたい場合、立退料を支払うことにより入居者に納得・立ち退きしてもらうケースが一般的。
賃貸借契約では、大家さんが次のような事情により入居者に立ち退きをしてもらいたいケースがたびたび発生します。
- 建物の建て替えが必要
- 土地を更地にして売却したい
- 家族に物件を使わせたい
- 賃貸経営がうまくいかず売却したい
裏を返せば、上記のような大家さん都合で立ち退きを請求された場合は、立退料の支払いを請求することができます。
水商売の方に賃貸の立ち退きトラブルが多い理由&防止策
ところで、どうして水商売をしていると賃貸の立ち退きトラブルが多いの?
水商売など夜職の方は、一般的なサラリーマンや学生などと生活形態が違うことからトラブルが起こりやすい傾向です。
水商売など夜職の方によくある賃貸の立ち退きトラブルの原因は、次の3つ。
- 家賃を滞納している
- 他の入居者とのトラブルが発生している
- ルールを守れていない
それぞれ防止策とあわせて見ていきましょう。
家賃を滞納している
水商売など夜職の方は、収入が不安定なため家賃を滞納しがちな傾向です。
家賃は大家さんにとって大切な収入なため、滞納が多い入居者に立ち退きを請求することは正当事由に該当します。
家賃の滞納を避けるためには、収入の多い月にある程度の貯蓄をおこない、収入が少ない月の家賃をカバーできるようにしましょう。
他の入居者とのトラブルが発生している
水商売など夜職の方は夜中に活動することが多いため、他の入居人とのトラブルが発生しがちな傾向です。
隣の入居人と少々もめる程度で退去を命じられることはありませんが、多くの入居人からクレームがあるなどであれば立ち退き請求の正当事由に該当します。
夜中に活動する際は、大きな音を立てないように気をつけて行動しましょう。
アパートなどではあらかじめ上下左右の部屋の入居人に挨拶し、状況を伝えておくだけでも信頼関係が生まれ、クレームが少なくなりますよ。
ルールを守れていない
水商売など夜職の方は忙しさから伝達事項などを見落としがちなため、うっかりルール違反を起こしがちです。
アパートやマンションではルールが変更されることはよくあります。
たとえば、ペット可マンションでのペットについて、入居時はペットの種類に制限がなかったものに制限ができるなどです。
ルール変更のお知らせをきちんと把握できておらず、飼ってはいけない種類のペットを飼ってしまうともちろんルール違反。
ルール違反は賃貸の立ち退き請求の正当事由に該当します。
ルール違反を起こさないためには、伝達事項をしっかり確認しておくこと、新しくペットを購入するときなどは一度大家さんに確認することを心がけましょう
賃貸で立ち退き請求されたら?対応法を解説
もしも急に立ち退き請求をされたらどうしたら良いのかしら…。
突然賃貸で立ち退き請求をされたら焦ってしまいますよね?
そんなときはひと呼吸して落ち着き、次の対応をしましょう。
賃貸で立ち退き請求をされたときの対応法は、次の3ステップです。
- 立ち退きについての請求書を確認する
- 立ち退きの理由が正当なものかを確認する
- 弁護士に相談する
立ち退きについての請求書を確認する
賃貸で立ち退きを請求されたら、まずは立ち退きについての請求書を確認しましょう。
立ち退きについての請求書とは、立ち退きを要求するときに渡される書面のこと。
立ち退きについての請求書は借地借家法第26条で、賃貸契約更新の1年~半年前におこなわなければいけないことが定められています。
また、請求書には立ち退きを求める理由や立ち退き料、立ち退きの時期などの重要事項が記載されているため、しっかりと確認しましょう。
立ち退きの理由が正当なものかを確認する
立ち退きについての請求書を確認したら、立ち退きの理由が正当であるかを確認しましょう。
正当な理由が見当たらなければ立ち退きに応じる必要はありません。
しかし、理由が正当事由に該当する場合は、住居の継続が難しいため日常生活に支障がでないように大家さんと交渉する必要があります。
契約満了を迎えていなければ立退料の請求が可能ですし、立ち退きの期限なども交渉してみましょう。
弁護士に相談する
立ち退きの理由が正当かどうかなんて、私だけで判断できないわ…。
立ち退きの理由が正当か判断できない、大家さんとの交渉がうまくいかないなどの場合は、弁護士に相談しましょう。
よくわからないまま立ち退きの同意書に署名すると、賃借人に不利な条件が定められていたり、立ち退き料がもらえない可能性があります。
また、焦ってすぐに引越し先を決めてしまった場合も立ち退き料がもらえないなど不利になる可能性大。
大家さんが直接訪問し、手続きなどを迫られた場合なども一旦保留にして弁護士に一度相談するのがおすすめです。
賃貸の立ち退きトラブルが水商売の方に多発?!まとめ
今回は、水商売の方に起こりやすい賃貸の立ち退きトラブル事例や防止策とあわせて、賃貸の立ち退きに関する基礎知識をお伝えしました。
賃貸の立ち退き請求が認められるのは正当事由に該当する場合のみです。
賃貸の立ち退きトラブルに巻き込まれないためには、立ち退き請求をされてしまわないようにマナーを守って生活することが基本です。
また、老朽化が進んでいる物件は立ち退きが必要となるケースが多いので物件選びも大切。
そんな大切な物件選びは、水商売など夜職の方専門の不動産屋であるナイトハウスにおまかせください。
水商売など夜職の方が安心して住める多数の物件から、一人ひとりに親身になって最適なお部屋を紹介いたします。
ぜひ本記事の内容も踏まえて、ナイトハウスでトラブルとは無縁の素敵なお部屋を見つけてくださいね。