■夜職の方のお部屋探し
水商売などいわゆる「夜職」と言われる方々のお部屋探しは非常に困難をともないます。いくら夜職の方々が高収入であっても、管理会社や大家さんは安定した収入を求めるものです。代表的なのは公務員や大手企業勤務など。その為、「夜職」勤務の方の審査は非常に通りにくいです。昨今は、保証会社を利用することが当たり前になってきておりますが、仮に保証会社の審査を通ったとしても、大家さんや管理会社の審査で否決になることが多々ございます。また、夜職の方OKの物件も増えてきておりますが、賃料が相場よりも高額であったり、初期費用が高額であったり、「昼職」の方のように優良物件にお住まいいただくのが難しいと言わざるを得ません。
そこで当コラムでは、「夜職」の方へのお部屋探しのコツをお伝えできればと思います。今後のお部屋探しのご参考になれば幸いです。
■物件の場所
まず最寄り駅の決め方からご説明したいと思います。ズバリ審査が通りやすい物件は、繁華街の近隣の物件です。ファミリー層が好む閑静な住宅街は厳しい大家さんや管理物件が多いのが現状です。繁華街の近隣、例えば新宿駅や池袋、六本木、渋谷など大きな繁華街から2~3駅圏内は比較的審査が通りやすい物件が多いです。また実際に「夜職」でお勤めの方が多く住んでらっしゃいます。自由が丘や中目黒、代官山等、おしゃれタウンは審査がかなり厳しいことを覚えておいて下さい。
■間取りの選び方
次に間取りについてです。
ズバリ、ファミリータイプの間取りは審査が通りにくいです。
ファミリータイプとは2LDK以上の間取りです。つまり2LDK、3DK、3LDKなどなど。基本的にファミリータイプの物件については、大家さんはファミリーが住むことを想定しております。当社のお客様でもルームシェアでファミリータイプに住みたいとご希望される「夜職」勤務の方がいらっしゃいますが、中々審査が厳しいです。もちろん一人暮らしであっても同様です。広くても1LDKまでが審査が通りやすいと覚えておいて下さい。
■賃料について
続いて賃料、お家賃についてです。
こちらもズバリ。15万円を超えると入居審査がグッと一気に厳しくなります。これは正直根拠がないんですが、不動産歴20年の私が身をもって感じてます。なので「夜職」の方で家賃が20万円出せる方でも、12万円程度の1Kに住んでらっしゃる方は多くおみえになります。15万円以上の賃料は審査が厳しくなると覚えておいて下さい。
■入居審査について
ここでは入居審査とは何なんだ。という疑問についてご説明いたします。
入居審査とは、保証会社もしくは大家さん、管理会社が入居希望者に対して、お部屋を貸すか貸さないか検討することを言います。具体的な審査方法は、勤務先への電話連絡、HPでの在籍確認、クレジットカードの信用情報、収入の確認及び証明、連帯保証人への連絡及び意思確認、緊急連絡先への連絡及び意思確認、身分証明書の確認、住民票の確認、犯罪歴の調査、反社会的勢力の関係者でないかの確認、などなどです。保証会社及び管理会社、大家さんが以上の情報を入居希望者から提供してもらい、申込書の内容と相違がないか、賃料の滞納をしないか、入居期間中に近隣入居者へ迷惑をかけないかなど、総合的に判断します。これを入居審査と言います。
では、審査可決、つまり審査に通る為に何が大切かをご説明いたします。
■反社チェックについて
まず100%審査に落ちてしまう方は反社会的勢力に属する者、もしくは反社会的勢力に属する者の関係者の方です。これは国土交通省つまり国が主導で不動産協会に指導しておりますので、これが審査時に判明した場合はまず100%審査落ちします。なぜなら反社と分かっていながらお部屋を貸すとその管理会社や大家さんが罪に問われてしまう可能性があるからです。
■犯罪歴の有無
次に大切なことは犯罪歴です。入居希望者の氏名は必ずネットで検索します。ここで過去の犯罪歴が出てしまうと非常に審査が厳しくなります。反社チェックと違い100%審査落ちする訳ではありませんが、かなり厳しいです。もちろん罪状にもよりますが、特殊詐欺や違法薬物密造などはほとんど審査が通らないと覚えておいて下さい。
■信用情報について
続いて大切なことは信用情報です。
ここで言う信用情報とは、いわゆるクレジットカードの支払いの滞納や遅れなどがないかということです。また見落としがちなのが、携帯電話を購入する際に分割にして購入していて、これの支払いが遅れていないかも、クレジットカードの支払いと同様に信用情報となります。遅れが多々あったり、滞納したまま払ってなかったりすると、信販系の保証会社はまず通りません。また一度信用情報が傷ついてしまうと回復までには相当の期間を要します。滞納を解消してから5年~10年間は滞納履歴が残ってしまうとお考え下さい。
■最後に
一口に入居審査と言ってもこれだけの情報を精査しております。
上記以外にも、勤務先の確認、収入の確認、現住所の確認などまだまだ入居審査は多岐にわたります。
今回のコラムでは最後まで書ききれなかったので、引き続き次回のコラムでは、入居審査の続きと入居審査の対策、アリバイ会社を使った場合のデメリットなどについてご説明させていただきます。